プリキュア挿入歌特集−その3−

挿入歌オケ録り現場潜入レポート

「ふたりはプリキュア」挿入歌オケ録音レポート by アキバ …(1)
 渡辺宙明先生、東映アニメーション音楽出版ディレクター・藤田さん、マーベラスエンターテイメントプロデューサー・浅田さんのご厚意で、ABC朝日放送系で毎週日曜日朝8時30分(山陰朝日放送は毎週土曜日朝7時30分)から絶賛放映中の大人気アニメ「ふたりはプリキュア」の挿入歌オケの録音を見学させて頂きました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。
 当日はSONGWORLD管理人で当サイトにも多大にご協力頂いている賀茂慶さんにも同行して頂きました。

  これから先の記事に出てくる画像は全て許可を得て掲載しています。なので転載はご遠慮ください。「許可を下さい」といわれてもこちらでは出しようがありませんし、そのようなことで各社さんの本来の業務に差し支えては元も子もないので、決してお問い合わせなどされないようお願いいたします。

 また筆者は「渡辺宙明ファン」であり「ふたりはプリキュア」ファンでもあるので、どちらかオンリーのファンにはわかりづらい比喩や表現があるかと思いますが、可能な限り注釈をつけていくつもりですので、注釈ページをご覧下さい。ミュージシャンの方でご自身のサイトを持ってらっしゃる方はそちらにリンクしております。

 渡辺宙明先生に関しては当サイトの作品リスト歌曲リストに目を通していただければ、きっと何かは観たことある作品、聴いたことある曲があるはずです。

  「ふたりはプリキュア」に関してはABC公式サイト東映アニメーション公式サイトを参照して下さい。可能ならば、1話から通して観ることをオススメします。

 さて、録音のことなんてさっぱり、という方もいらっしゃるでしょうから簡単に説明しますと、ここ20年くらいの歌や劇伴(BGM)はほとんど「マルチトラックレコーディング(MTR)」という方法で録音されています。今回もしかり。

 レコーダーには16とか32とか48とかのトラックがあり、そのトラックごとに別々の音を録音出来るようになっています。つまりトラック1にボーカル、トラック2にブラス、トラック3にストリングス、トラック4にギター、トラック9にベース、トラック10にドラムといった具合に録音できます。フォトレタッチソフトなどのレイヤーを思い出していただけるとわかりやすいかも。複数曲録るならば、その曲数分の担当パートをまとめて録ってしまいます。こうするとミュージシャンさんの拘束も短くて次の現場に向えるし、クライアント側もかかる人件費を減らせるという一挙両得なシステムであったりもします。

 そうして録った音を後で重ね合わせ(ダビング)、それぞれの音の音量、音質、定位(音が聴こえてくる位置)などを調整し(トラックダウン or ミックスダウン)、1つの曲が出来上がるのです。ちなみに、こうやって作られた複数の曲を1枚のCDにする際の調整をマスタリングといいます。めちゃくちゃ大雑把な説明なので、より詳細な内容を知りたい方は検索してみてください。

 ついでなので楽器のことも簡単に。
  • ブラス
    トランペット、トロンボーンなどの金管楽器をまとめてこう呼んでいます。

  • ストリングス
    ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスなどの弓奏弦楽器をまとめてこう呼んでいます。

  • シンセ
    「シンセサイザー」の略です。電気的、電子的に様々な、自然界に存在しない音をも作り出せる楽器です。最近ではかなり生楽器に近い音も作れるようですが、よーく聴くとやっぱパチモンはパチモンだなぁ、という感じも。「シンセブラス」「シンセストリングス」というのはそれぞれシンセで作ったブラス、ストリングスの音のことです。
     宙明先生の場合は生音の厚味を増すための補強、シンセサイザーでしか出せない音を必要とする場合に使われることが多いようです。

 それぞれがどんな音かはヤマハ音楽振興会Musical Zoo〜動物楽器図鑑〜が詳しいです。

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ではまず当日のスケジュールをば
スケジュール


スタジオ配置はこんなふう